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「好き」が連れて行ってくれる、澄んだ世界の話。

 

 

先日、石の出展へ遊びに行ってきました。

私たち親子を「石屋」として基本から教え、表舞台へと引っ張り上げてくれたGOD’S WILL JAPANのパンちゃんに会いに行ったら、懐かしい方たちの顔も見えて、気づけば近況報告をしながら、あっという間に時間が過ぎていました。

 

パンちゃんの棚の中で、キラキラとひときわ目立っていたのが、このグリーンアポフィライト。

なんとも言えない、美しい透明感に、何度も目が追ってしまって、ちょっと訳ありで販売が難しいとのことで、私物としてお迎えしてきました。

 

こうして石を迎える時間そのものが、やっぱり特別だなと改めて感じました。

 

最近は、日本の石屋さんと直接話す機会も少なくなっていたのですが、自分の「好き」を全面に湧き出させている石屋さんたちの姿が、なんだかとても眩しく見えて。

 

好きなものしか売っていないお店って、すごいなと思うんです。

 

売れるかどうかではなく、「これ素敵でしょ?」と愛に包まれ差し出される石たち。

その空気はとてもクリアで邪念がなく、久しぶりに澄んだ世界の扉の内側に入ったような感覚でした。

 

台湾のミネラルショーにみんなで遠足のように行ったという話も聞かせてもらい、「経験そのものが楽しかった」という言葉に、思わずワクワク.o○

 

もちろん、値崩れの起きている石業界の中で生き残っていく苦労は、きっとたくさんあるはずです。

 

それでも、「また出展しようよ」「出てきてくださいよ」と声をかけてもらえて、素直に嬉しくて。

売上の話をしても、「なんとかなるって」と笑って返される(笑)

 

確かに、なんとかなるのかもしれないな、なんて思えたりして。

 

帰って夫に話したら、私の報告がよほど楽しそうに見えたのか、「利益を貯めて、出展して、もし赤字になっても回してみたら?」なんて提案まで(笑)

 

きっと、そこまでしてでも行ったら?と思うくらい、私は久しぶりのワクワクした顔で話していたんだと思います。

 

出展の話をしていて、改めて思い出したこと。

私は、この仕事の中で“夢中になる瞬間”がとても好きなんだな、と。

 

海外の石屋さんとオーダーの打ち合わせをしているときは、思考がフル回転して、その日の夜は興奮して眠れなくなるくらい。

 

出来上がったものが理想通りだったときも、嬉しくて眠れなくなる。

 

逆に、相手側の感性が入り過ぎた仕上がりに出会ったときには、悔しくて眠れない夜もあります。

 

どうして、こうなったのか。何がそうさせたのか。

 

例えば「掘り出された時に欠けた先端はそのままに!!!」とキツメに何度も伝えても、綺麗に先端をピンピンにしあげてくれるんですよ。

 

そうじゃない・・・そうじゃないんだよ・・・くぅ・・・

 

伝え方を工夫しても、難しい。

次はどんな風に伝えようか?

 

そんなことを考えて対策を重ねる中で、私の好きを理解してくれて、少しずつ関係性が深まっていく。

 

そんな日々を繰り返してきました。

 

細々と続けてきたこの仕事の中で、伝わらないことや仕上がりの違いなど、様々な壁にぶつかることはありましたが、不思議と嫌なことは思い浮かびません。

 

きっと、その都度乗り越えてこれたんだろうなと思います。

 

気を付けている事は、自分の脳の特性上、思考がクリアな状態でないととても苦手です。

それでは仕事にならないからです。

 

凸凹のある脳の特性だけど、フル回転させて答えに辿り着いた瞬間が好き。

 

そんな自分を、少しだけ愛おしく思える時があります。

もちろん、きれいごとだけでは済まない日々も多々あります。

 

思った通りに進まないことや、理想とは違う形で仕上がってくる現実に直面することもある。

 

価格の変動、為替、物流。

海外とのやり取りの中で生まれる小さなズレや、文化や価値観の違いから起きる認識の差。

一つひとつは些細なことでも、積み重なると確実に心をすり減らしていきます。

 

それでも、この仕事をやめたいと思ったことは一度もありません。

 

むしろ、その中でどうやったら少しでも楽しく続けていけるか、どうやったら自分の「好き」を失わずにいられるかを考える時間の方が長い気がします。

 

今回お迎えしたグリーンアポフィライトは、透明感の中にほんのりと宿るグリーンは、

華やかさとは違う「回復途中の色」のようにも見えました。

 

一度、思いきり考えすぎてしまったあと。

気持ちが絡まって、何が本音だったのか分からなくなったとき。 

選択肢はあるのに、どれも正解に見えなくて立ち止まってしまう瞬間。

 

そんな“思考の渋滞”の中にいるとき、

 

一度、外側ではなく内側を整えるという選択肢を思い出させてくれる存在だといわれています。

 

アポフィライトが持つ“視点の切り替え”という意味合いに、

グリーンの要素が加わることで、

整えたあとに、もう一度動き出すこと。

休んだあとに、再び選び直すこと。

迷ったあとに、自分の軸へ戻ること。

 

そんな「再スタートの余白」を思い出させてくれる石として捉えられることも。

 

外に向かって何かを得ようとするのではなく、

すでに持っていたものに気づいていくような感覚。

無理に前へ進もうとしなくても、

一度立ち止まって整えた思考は、

ちゃんと次の一歩を軽くしてくれるのかもしれません。

 

 

今回この石に惹かれたのも、気になって目が離せなくなったのも

きっと今の自分に必要なタイミングだったのだと思います。

 

クリアーな心で自分のペースで一歩ずつ進んで行きます。